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今の家を手放す前に知っておきたい、住み替えのリアル③
こんにちは！千織不動産の加納千織です。
前回のお話はこちら
今回は、「不動産を売るときの流れ」について、不動産をお持ちの方に向けて、
実際のケースを基にお話しします。
特に、家を売ることが初めての方や、不動産売却に不安を感じている方には、
ぜひ参考にしていただきたい内容です。
まず、不動産を売却する際には、不動産会社に査定を依頼します。
査定金額が納得できれば、次は「不動産媒介契約」を締結します。
この媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、
それぞれに特徴がありますが、弊社ではお客様との信頼関係を大切にしているため、
主に「専任媒介契約」での取引を行っています。
「専任媒介契約」では、弊社が独占的に物件を販売することになり、
その分、しっかりとしたサポートが可能です。
お客様が満足する結果を得られるよう、販売活動も密に行っています。
契約締結後、いよいよ物件の販売が始まります。
ありがたいことに、多くの購入希望者から「買付証明」をいただくことができ、
どの購入希望者が最も売主様にとってメリットがあるかをじっくりと検討しました。
価格だけでなく、決済日や諸費用の負担についても確認し、最適な条件を見極めていきます。
しかし、ここで少し難しいポイントがありました。
実は、この物件には土地の「確定測量」がすでに行われており、
正しい面積は202㎡であったということが資料により確認できたのですが、
その測量結果が法務局に登記されていなかったのです。
土地の面積に関して登記されている数値と、実際に測量した数値に差があった場合には、
「地積更生登記」を行う必要があります。
この作業は土地家屋調査士が担当するものですが、以前に確定測量をしていたものの、
登記がされていないため、後に不動産の価値に大きな影響を与えることになりました。
例えば、今回の物件では、登記上の面積が198㎡だったのに対し、
実際の測量結果は200㎡をわずかに超えていたのです。
特定のエリアでは、建築基準法により、新たに家を建てる場合の「最低面積」が決められています。
200㎡を超えていれば、2軒の家が建てられるのですが、
200㎡未満だと特例等を使った申請を行い建築自体は不可能ではないものの、
建築プランに制限が出てしまいます。
このような微妙な面積の差が、購入希望条件に大きく影響しました。
登記されていないだけで、確定測量の数値が200㎡超であることが確認できているのだから、
それでいいのではないか？と思われるかもしれませんが、何しろ測量したのは10年前。
そこから、法律等も改正があり、現在測量しなおした時には、
やはり200㎡未満になる可能性も否めないと言うのです。
さらに、道路のセットバックの問題もあり、このエリアは建物を新築する際には、
市区町村の道路課と道路のセットバックについて協議する必要がある地区でした。
そのため、購入希望者の多くは「確定測量後に地積更生登記を行い、
その土地面積が200㎡未満だった場合は白紙撤回」という条件を付けていました。
仮に確定測量値は200㎡だったとしても、セットバック後の面積は、200㎡未満になる可能性もある、
そういう状況でした。
10年前に地積更生登記を行わなかったことが大変に悔やまれました。
なぜ確定測量後に地積更生登記を行わなかったのか？という問題について、
売主様は全くわからないとのことでした。
この件については、亡くなられた旦那様がお一人で対応されていて、詳細が不明だったと。
保管されていた資料によって、確定測量を行った時の請求額がわかったのですが、
約100万円ほどかかっていました。
土地の売却に必要とはいえ、これを再度行う、ということにも抵抗感を示されていました。
私も内心、「そうですよね、、一度測量されているわけだし、、」と思ったものの、
確定測量は不動作取引の商慣習上、売主負担で行うものであることもお伝えしなければなりません。
微妙な数値に悩む中で、色々と調査していると、ついに
「これほど売主様にメリットのある条件はもう出ないだろう」
という条件を示して下さる購入希望者が現れたのです！
その条件とは、
・測量と地積更正登記は買主の負担により行う
・セットバック後の面積が200㎡未満であった場合は、減額とするが、白紙撤回はしない
というものでした。
他、諸々の諸条件も鑑みた結果、弊社としては売主様にはこの買主様しかいない！
と判断し、お伝えしました。
そして、無事に売買契約に進むことができたのです。
このように、不動産売却には予期しない問題が発生することもありますが、
経験豊富な専門家と一緒に進めることで、スムーズに解決できることも多いです。
家の売却に不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの大切な不動産をしっかりサポートいたします。
次回の更新もお楽しみに！
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